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コレクション展Ⅲ「かわいい日本美術」

 日常のコミュニケーションの中で“かわいい”という言葉は色々な場面で使われています。日本では古くから“かわいい”ものを愛でる独自の文化があり、日本語の“かわいい”には、様々なニュアンスが含まれています。
 本展では、美術作品に表現された身近な犬や猫、鳥やリス、フクロウなどの小動物、愛らしい季節の草花、無邪気で微笑ましい子ども、“ゆるかわ(ゆるくてかわいい)”の僧・布袋さんや南画に描かれた人物、さらには着物や工芸作品のデザインまで、幅広い作品に注目します。可憐なもの、幼いもの、小さいもの、素朴なもの等々の“かわいい”をキーワードに、日本美術の新たな魅力を探ります。

展覧会の見どころ
幸松春浦 《清夜》(部分) 昭和前期頃

幸松春浦 《清夜》(部分) 昭和前期頃

見どころ1 動物がかわいい!
様々な作品に描かれる動物たち。ふわふわの毛並みやまんまるの瞳がとってもかわいい!幸松春浦(ゆきまつしゅんぽ)《清夜》(せいや)はほの暗い夜の情景の中で、リスが木の実を食べています。木の実を両手に抱えてこちらを見つめる様子のかわいらしさ、月明かりが照らす薄暗い様子が巧みに表されています。
 
 

田能村竹田 《泡茶新書三種》 1831年

田能村竹田 《泡茶新書三種》 1831年

見どころ2 ちっちゃくてかわいい!
田能村竹田《泡茶新書三種》(ほうちゃしんしょさんしゅ)は竹田が煎茶について論じた本の3冊セット。文庫本より小さく、このようなサイズの本は豆本、袖珍本(しゅうちんぼん)(袖の中に入るほど小さいことから)と呼ばれます。このうち《石山斎茶具図譜》(せきぜんさいちゃぐずふ)はのちの煎茶関係の書物にも引用される、煎茶道具の図解が特徴です。本のサイズが小さいので、描かれている道具がミニチュアハウスのインテリアみたい!
 

松花堂昭乗 《布袋図》(部分) 江戸時代前期頃

松花堂昭乗 《布袋図》(部分) 江戸時代前期頃

見どころ3 ゆる~くてかわいい!
松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)は江戸時代の僧で、書や絵も巧みにかいた人です。実は「松花堂弁当」の語源でもあります。そんな昭乗が描く絵はとってもゆるい雰囲気を持ち、見ている人を癒やしてくれます。《布袋図》は昭乗がよく描いた画題のひとつ。同じく僧で友人の江月宗玩(こうげつそうがん)が画賛を書いています。

特集展示 大分竹工芸名品展-此君礼賛Vol.8-
森上智 《舞》 1988(昭和63)年

森上智 《舞》 1988(昭和63)年

 大分県立美術館のコレクションの中でも、竹工芸で初めて人間国宝となった本県出身の生野祥雲斎(1904-1974)の作品を軸とした約300点からなる県内外の竹工芸作品は、質・量ともに国内最大級として知られています。 
 当館では、竹工芸を大分ならではの文化風土から生まれた主要な地域文化資源と位置付け、コレクション展における特集展示「大分竹工芸名品展-此君礼賛-」をシリーズとして開催しています。
 今年度のVol.8では、「生誕120年・没後50年 生野祥雲斎展」に先駆けて、祥雲斎以降の作家を中心に、大分の竹工芸の歴史や変遷を当館コレクションの優品からにご紹介いたします。

特集展示 豊かな海と芸術家たち
福田平八郎《素描(海魚)》1963年

福田平八郎《素描(海魚)》1963年

第43回「全国豊かな海づくり大会」の大分県での開催に合わせて、海に関する作品の特集展示を行います。

『全国豊かな海づくり大会』とは
水産資源の保護・管理と海や河川・湖沼の環境保全の大切さを広く国民に訴えるとともに、つくり育てる漁業の推進を通じて水産業の振興と発展を図ることを目的に毎年各地で開催されている国民的行事の1つです。この大会は昭和56年に大分県で第1回大会が開催され、2度目の開催です。

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