2025年08月08日
「チームラボ 学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物たち」寄稿記事①
2012年台湾美術館での「We are the Future」展を皮切りに、シンガポール・ビエンナーレ(2013)、ニューヨークのペース・ギャラリー契約(2014)など、国際的にも高い評価を獲得しているチームラボは、2001年から活動を開始。「アート、サイエンス、テクノロジー、自然」を横断するアート集団として、探求と共創による「新しい表現」の開拓を目的に、日本の伝統的文化に着眼し、最新技術と融合により、これまでにない社会や価値観を生み出し続けています。国内では2018年以降、東京・お台場を皮切りに、都内・豊洲「チームラボプラネッツ」、麻布台ヒルズ「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」など、完全没入型デジタルアート大型常設館を次々と開館し、訪日外国人客を含む多くの来場者を惹きつけています。
現在、大分県立美術館で開催中の「学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物たち」は、子どもから大人まで、他者と共に自ら何かを創ることによって、アートと自然の共鳴を五感で享受できる体験型のコンテンツです。全体を通じて、「共同的創造性=共創」を育むアートプロジェクトとして設計されており、国内外を合わせて1,500万人以上の来場者を記録しています。
テクノロジーを駆使したリアルタイム生成などの作品群で構成された会場では、来場者は、絵を描いたり、身体を動かしたりという体験を通じて、自然とアート、テクノロジーとの対話を重ねます。来場者自身が自ら考え、行動することによって、そこには新たなコミュニケーションや社会意識の形成が促されます。
「花と共に生きる動物たち」は、チームラボが2017年に制作したインタラクティブ・デジタルインスタレーション。季節の花々がリアルタイムで変化しながら咲き、やがてその花々が動物の姿を描き出します。来場者が花に触れると花びらは散り、触り続けると、その動物は消える“生と死”の循環を身体で感じることができ、生命が宿るように動物が現れる幻想的な作品です。作品は事前に録画された映像ではなく、プログラムによって“今この瞬間だけ”の絵が描かれる方式が採用されています。来場者の行動が変化のきっかけになる―一期一会の儚さと美しさを体験してください。
(大分県立美術館 学芸企画課長 池田隆代)
