大分県立美術館は、大分県ゆかりの美術家を中心として、5000点を超える多様な美術作品、資料を収蔵しています。当館では「地域美術館」と称して、こうした収蔵品を県内地域で展示し、その地域に関わる美術や歴史等を学び、楽しむ機会を提供する展覧会を実施しています。
R5年度は杵築市の「きつき城下町資料館」にて開催いたします。
本展では、杵築で南画をひろめた杵築藩士の十市石谷(1793-1853)や、杵築の商屋に生まれ、田能村竹田の高弟となった高橋草坪(1804-1835)など、江戸後期の画家たちが描く山水画や花卉図をはじめ、杵築の海の幸や山の幸など、豊かな風土を髣髴させる日本画家・福田平八郎(1892-1974)のスケッチ、戦後の日展で活躍した日本画家・髙山辰雄(1912-2007)による別府湾の風景版画、地元大分の県美展を牽引した日本画家・田川奨(1915-1994)、洋画家・多邨常(1925-2006)、さらには網代編を得意とした竹工芸作家・市原華雲斎(1916-1995)など、近世から近現代まで、多彩な作品を紹介します。展示作品を通して、皆様に郷土の豊かさや新たな視点を示すことができれば幸いです。
福田平八郎スケッチ《蜜柑》1956年 | 髙山辰雄《限りなき大分 空に映ゆる(由布・鶴見・別府)》1981年 | 福田平八郎スケッチ《オニオコゼ・サザエ》1954年 |
河井寬次郎《小鹿田焼 茶碗》1954年 | 河合誓徳《みかん畑》2003年 |
地域美術館 at きつき城下町資料館 「杵築の美術と風土―大分県立美術館コレクション-」ギャラリートーク