国立国際美術館は、1977年より、国内外の優れた現代美術を発信する美術館として、収集・保管・展示活動を行ってきました。本展は、その名品・優品を国内各地において紹介する巡回展として、広島に続き、大分で開催されます。ポール・セザンヌに始まり、ヴァシリー・カンディンスキーやマルセル・デュシャンらによる抽象絵画や概念芸術の動き、第二次世界大戦後に登場するポップアートや新しい表現様式、さらには多様化する2000年以降のアートまで、大きく変容する100年余りの美術の流れを4つの章で辿ります。
独創的な作品の数々は、それぞれの時代における最新の「現代アート」。展示室では時代や地域を越えて、ひとつひとつの個性が私たちの感性を刺激します。今、あなたにとって心に響く作品を見つけることは、あなたらしい美術の楽しみ方の第一歩です。アートを通して世界に夢中になる。本展がそんなきっかけになれば幸いです。
本展は、開催中の企画展「国立国際美術館コレクション 現代アートの100年」にあわせて、日本の戦後美術の流れや1950年代から1980年代頃を中心とした大分の作家たちの動向をご紹介します。
さまざまな美術思潮が海外から押し寄せた時代。激動する美術界で現代作家たちが果敢に挑んだ色、形、素材への好奇心と挑戦をお楽しみください。
vol.4 アジアの竹工芸 / vol.5 唐物の竹工芸と文人画
大分県立美術館は、当県ゆかりの美術家の作品を中心とした5000点を越えるコレクションを収蔵し、年間を通じてコレクション展や企画展で紹介しています。中でも竹工芸で初めて人間国宝となった本県出身の生野祥雲齋(1904-74)の作品76点(寄託20点)を軸とした約300点からなる県内外の竹工芸作品は、質・量ともに国内最大級のコレクションとして知られています。
当館では、竹工芸を大分ならではの文化風土から生まれた主要な地域文化資源と位置付け、コレクション展における特集展示「此君礼賛-おおいた竹ものがたり」をシリーズとして開催しています。タイトルの「此君(しくん)」とは竹の異称で、中国・晋の文人・王子猷が「なんぞ一日も此の君無かるべけんや」(一日たりともこの君なしではいられない)と竹を深く愛した故事に因みます。
この特集展示(R4年度はvol.4、5の2回開催)では、竹工芸の歴史や特徴を様々な角度からご紹介するため、毎回わかりやすいテーマを設定しています。多様に展開してきた竹工芸の魅力をぜひじっくりとお楽しみください。
自閉症の方の生きがいを大切にし、やりがいがある活動を考えて実践している生活介護事業所「なごみ工房」(豊後大野市)から、アート活動に取り組むお2人に出展いただきました。人との交流が大好きな2人の絵には、自分や家族、施設職員、芸能人やキャラクターなど、様々な登場人物が描かれています。それぞれの心の世界をぜひ感じてみてください。
出展作家:伊藤瑞穂、岩川日向子
展示協力:ライフサポートセンター なごみ園 (社会福祉法人 萌葱の郷)