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日中韓現代作家交流展 in OITA 2022 カイコウ-Encounter Our Lives

寄稿 2022.10.28

県立美術館で日中韓現代作家交流展
作品から感じる風土や生活

「日中韓現代作家交流展 in OITA 2022 カイコウ-Encounter Our Lives」が大分市寿町の県立美術館で開かれている。11月6日まで。観覧無料。同館の宇都宮壽学芸企画課長の展評を紹介する。

日本・中国・韓国3カ国において、文化芸術による発展を目指す都市を選定し、都市間交流を含むさまざまな文化芸術行事を1年間実施する「東アジア文化都市」事業。「東アジア域内の相互理解・連帯感の形成促進」「多様な文化の国際発信力の強化」「都市の文化的特徴を生かした文化芸術・クリエーティブ産業・観光の振興推進と継続的な発展」を目的にしている。

この展覧会は「東アジア文化都市2022大分県」の開催主旨に基づき、「都市」「生活」「交流」をテーマとしている。1階アトリウムでは、社会的メッセージ性の強い映像作品や立体作品など、6人の中国・韓国の現代作家の作品とともに、大分を拠点に活動を展開する安部沙保里、遠藤ももこ、オレクトロニカ、金村孝之、ザ・キャビンカンパニー、北村直登、野村菜美の7組の現代作家の作品が競演。

3階ホワイエでは、大分伝統の竹工芸を現代的な造形作品へと昇華させる大分在住の竹工芸家、杉浦功悦、中臣一、横山修、米沢二郎の作品を展示している。

芸術作品には、作家の意図や意向だけでなく、歴史や風土、生活や社会環境、社会的な出来事など、さまざまなものが背景にあるように感じることがある。この会場で作品と向き合う時にも、それぞれの作品からそのようなことを感じ、考える。

日本・中国・韓国、それぞれの地域で今を生きるアーティストたちが生み出した作品を通して、他国を知り思いをはせる、そして、それだけではなく、自国や私たちが暮らす地域に目を向け直す。国際交流や相互理解、価値観の共有、さらには次世代への継承にもつながる、そのような機会になればとの思いをいたす展覧会である。ぜひ、会場で日中韓のアーティストたちの生の息吹を感じていただきたい。

× × ×

11月3日午後1時半から同館で県内在住の現代作家7組が登壇するトークイベントがある。定員200人。「東アジア文化都市2022大分県」のホームページから申し込みが必要。参加無料。


 


 

日中韓3カ国の現代作家の作品を展示=県立美術館
日中韓3カ国の現代作家の作品を展示=県立美術館


大分合同新聞 令和4年10月28日掲載