文字のサイズ
色変更
白
黒
青

OPAMブログ

印刷用ページ

コシノジュンコ「原点から現点」寄稿記事 第1回

展覧会 2022.04.11

創造力、流行の先端を走る
ファッションを通じた世界観

大分市寿町の県立美術館で「コシノジュンコ『原点から現点』」(大分合同新聞社共催)が開かれている。同館の宇都宮寿学芸企画課長が見どころを紹介する。

世界的なファッションデザイナーでありアートクリエイターであるコシノジュンコは、新人デザイナーの登竜門とされる装苑賞を最年少の19歳で受賞。この受賞を皮切りに、東京を拠点にファッションデザイナーとして活動を開始します。

1978年から2000年まではパリコレクションにも参加、北京、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ベトナム、ポーランド、キューバなど各地でショーを開催し、世界から高い評価を得ました。さらにスポーツユニホームやオペラ、ブロードウェーミュージカル、和太鼓演奏集団「DRUM TAO(ドラムタオ)」の舞台衣装といった分野にも活動の幅を広げます。

近年では、服飾デザインの領域を超え、インテリアや食、花火のデザインから、ファッションやオーケストラ、オペラ、バレエダンスが共演するアーツライブのプロデュースなど、その創造力はとどまることを知らず、常に新たな境地を切り開いています。

これらの勢力的で幅広い活動の結果、イタリア文化功労勲章・カヴァリエーレ章(2006年)、モンブラン国際文化賞(09年)、キューバ共和国友好勲章(11年)、文化功労者顕彰(17年度)、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ(21年)といった国内外における数々の勲章や表彰を受けます。また、2020東京五輪・パラリンピック組織委員会文化・教育委員など文化事業の要職を歴任してきました。

本展では、コシノジュンコの創造の原点である大阪・岸和田高校の美術部で描いた絵画や装苑賞の受賞作から、「対極」というコシノジュンコがファッションを通じて創出した世界観の他、琳派や能との共演など、現在までの活動の全貌を紹介します。また、会期中には、コシノジュンコと企画するさまざまな関連イベントも開催します。常にモードの先端を走りつつ、新たな創造を繰り広げる、その活動の全貌をご覧いただきます。

▽「コシノジュンコ『原点から現点』」は5月29日まで。入場料は一般1400円、大学・高校生千円。中学生以下無料。

服飾デザインの領域を超え、インテリアや食、花火のデザインなど常に新たな境地を切り開くコシノジュンコ
服飾デザインの領域を超え、インテリアや食、花火のデザインなど常に新たな境地を切り開くコシノジュンコ
POROPORO
POROPORO


大分合同新聞 令和4年4月16日(土)掲載